めのうの店川島【公式通販】創業明治10年/勾玉や出雲石/碧玉/隠岐の黒曜石/糸魚川翡翠

当店のこだわり

神々が宿る、神秘の石。出雲のめのう細工。当店のめのう細工は、職人歴50年のベテランや伝統工芸士、彫刻家たちの技法を重ね合わせ生み出す、唯一無二の勾玉です。

勾玉にこだわる

当店では、今ではほとんど採掘できなくなった出雲特産青めのう(碧玉、出雲石)を贅沢に使用しています。
オリジナルの勾玉は、古代の形をイメージしながら、職人と2年の試行錯誤の末に生まれました。厚みやカーブ、膨らみ具合など細部にまでこだわり、時間をかけて製作。また、出雲の古墳から発掘された獣型をモチーフにした勾玉も、アレンジし再現しています。
めのうと古代の神聖なる魅力を秘めた勾玉をお楽しみいただけます。

職人が作る勾玉

ひき割り

勾玉制作は碧石の原石中から濃い緑一色を探し、石を板状にするところから始まる。職人は、何工程にも及ぶ削りの前段階として、高いクオリティが予想できる碧石を見極めながらカットし、洗い出していく。もともと石の中にあるカン(ヒビ)を察知するために石を触り、水の浸み具合を見て、灯油をかけながらカッターで切り落とす。色味の違いを吟味し、まばらな模様や、途中に穴がないよう最も良質な箇所を選び出すのだ。

硬度が高く粘りのある碧石は翡翠の数倍も加工しにくいと言われるが、熟練の職人は用途に合わせて引いたラインに対して、寸分の違いなく次々と削っていく。またその際に電動カッターの熱がこもらないよう大物と小物を交互に施し、温度上昇もコントロールする。

スタート時は30cm程ある貴重な原石から、実際に勾玉として採用されるものは全体の1割にも満たない。制作に相応しい碧石が厳しい目利きで選び出され、細工へと進んでいく。

穴あけ

勾玉制作の大一番とも言えるのが“穴開け”の作業である。魚形起源説を持つ勾玉の目の部分にあたる箇所は、原石の表面がまだ平らな状態で穴が開けられる。勾玉の頭部にあるこの穴に紐を通し、先人たちは装身具として身につけたのである。

職人は、研磨剤となる砂を超音波穿孔機の先端に沿って流しながら、調音波振動により高精度の深穴を実現していく。超音波穿孔機の穴開け部分の先端はパイプ状になっており、印付けられた箇所を精細に破砕することができる。パイプ状に抜かれた碧石は、その技術の正確性を物語っている。

地球から切り出された原石は、まっすぐにしかカットできず衝撃に対して弱い方角で欠けていくもの。言うまでもなく長年の経験と修行なしではできない技だ。
非常に細かい結晶性の石英の一種である碧石を、職人はひとつひとつを慎重に穿孔し、開けた穴はカンが入り割れないように穴の周りを面取りする。眺めるたびに不思議に感じられる玉の孔は、精密かつ精巧な技術に支えられている。

丸く整える

太古より人々を魅了してやまない勾玉。その製作において、当店が長い年月をかけて追及したのが勾玉の外形だ。独特な神秘性が漂う、ひときわ美しい背中部分のまるみには、厚みやそのカーブ、膨らみ具合などの細部にまで「めのうの店 川島」のこだわりがあり、職人の魂が宿っている。

職人は1800回転/分の研磨機を動かし、水に溶かした砂状の研磨剤を握った手を刃に被せるようにしながら、研磨剤をかけて削っていく。長年培った技術と勘で迷いなく石を刃に当て、遠目にも存在感のあるふっくらとした丸みを形作る。くりぬかれたようなひねりのえぐり部分は厚みのある刃で加工され、丸みを保った重厚感が作られていく。出雲地方でしか採れない緑の貴石が美しく存在するために、理想の姿に仕上げられるのだ。硬質ながらも粘りがある碧石から、他にない玲瓏たる品位が生み出される瞬間である。

バレル研磨

形作られた勾玉の最終工程は「バレル研磨」。石同士のぶつかり合いによって研磨していく加工法で、川の下流や海岸にある石が、角が取れて丸くなっているのと同じ原理である。仏像や彫刻を専門とする職人も使用する技術だ。

全長30cmの八角形の樽容器に、勾玉と緩衝材代わりのその他の石のミックス、碧玉の硬度や特性に合わせたセラミック研磨剤を入れる。水を加えて、回転バレル研磨機にのせ、鉄の棒の枠の中で回転運動による振動を与える。緩衝材となる石によって削り過ぎを防ぎ、適した調合による研磨剤は石のツヤを出していく。碧玉と同質である瑪瑙のくずや丸くなった石を多用し、角張った小石も丸石を作るために加える。この樽を二日間夜通しで回し続け粗い砂だけの研磨を行い、洗い流して二日間アレキ酸での下ヅヤ、総仕上げの磨きという三つ工程を行う。

この磨き方の他にも振動バレルという方法があるが、勾玉のひねりのえぐり部分までよく磨くためには回転バレルの方が適している。

最終的にはざらざらとした肌触りからツルンとした石に変わる。どこまで光らせることができるかは、石の質を知り尽くし調合する職人の技の見せ所。石の光の具合が技術の高さを表している。

丸玉を磨く

勾玉とはまた別の方法で丹念に加工していく丸玉や数珠玉。ほぼひとりの職人の手仕事によって生産される点も丸玉の特徴だ。

丸玉は大きくなる程に希少性が高まる。石の色がまばらであったり筋が出たりするため、良質な原石を見つけて大きな丸玉を作ることは難しい。しかし、碧玉の丸玉は手間をかけるほど輝き出す石の世界を存分に感じさせてくれるものでもある。

そのプロセスは、丸玉用の原石が置かれた専用の筒皿に、研磨材の砂を少しずつ流し込み、左右対称を目指して形作る。途中、R皿と呼ばれる研磨を使いながら、今度は微妙に大きさが異なる研磨皿で順々に加工を重ねていく。

波動により人間の能力を高め、災いを避け、そして良い結果を招く力があると言われている出雲の青めのう。あらゆる可能性を秘めた人々のために、入念に手磨きされたその輝きは、いつでもそばに置きたい存在感を放っている。